業務Q&A

助成金編

Q 1. 建設労働者緊急雇用安定助成金の創設について
A 建設投資が低迷する中、公共事業についても減少していくことが見込まれている現状において、建設事業者向けの助成金が新設されました。
(1)建設業新分野教育訓練助成金

対象となるのは雇用保険適用事業所の中小建設事業主です。
建設事業主が、建設業以外の新分野の事業を開始し、その事業に必要な教育訓練を行った場合支給されます。
支給額は A及びBの合計額です。
 A : 教育訓練に要した経費の2/3(1日当たり20万円、60日分を限度)
 B : 教育訓練を受けさせた労働者1人につき日額7,000円(上限。60日分を限度)

(2)建設業離職者雇用開発助成金

対象となるのは雇用保険の適用事業所の事業主で建設事業を営んでいない事業主です。
建設事業に従事していた者や建設事業を行っていた個人事業主などで、45歳以上60歳未満の建設業離職者を、公共職業安定所又は職業紹介事業者の紹介により、継続して雇用する労働者(被保険者)として雇い入れることが要件です。
支給額は事業主の規模に応じて、雇入れ1人につき、雇入れから6か月経過後及び1年経過後に半額ずつ支給します。

企業規模 6か月後 1年後 合計
中小企業事業主 45万円 45万円 90万円
中小企業事業主以外の事業主 25万円 25万円 50万円
Q 2. 中小企業緊急雇用安定助成金の改正について
A 受給し易く、手続も簡単な助成金である中小企業緊急雇用安定助成金に改正が生じました。
この助成金はリーマンショック直後から多用されるようになり、受給して3年目になる会社も多いと思われます。
その間に業績の多少の持ち直しは見られているものの、まだ休業等を余儀なくされる会社もあるかもしれません。
その場合、前年同期と比較して5%以上の生産量または売上高の減少という要件が充たされないことがあることから、平成22年12月より要件が緩和され、
(1) 直近3カ月の生産量の減少の比較対象となる期間が3年前(リーマンショック前)の
   同時期と比較して15%以上減少、
(2) 直近の決算が経常赤字である、
(3) 円高による生産量の減少の3件がいずれも充たされた場合も対象となりました。
なお、この措置は平成22年12月からの1年間限定であることにご注意ください。
Q 3. 学校を卒業して間もない若者向けの助成金の拡充
A 学生の就職難を解消するため、平成23年3月31日で終了予定であった卒業後3年以内の若者向けの助成金が平成24年3月31日まで1年間延長されています。
3年以内既卒者(新卒扱い)採用拡大奨励金
大学等を卒業後3年以内の既卒者を新卒者と同じ扱いで正規雇用した事業主に対して、正規雇用から6カ月経過後に100万円が支給されます。1事業所で1回限りの適用です。
3年以内既卒者トライアル雇用奨励金
卒業後も就職活動中の新規学卒者を正規雇用へ向けて育成するために、まずは3カ月の有期雇用を行い、その後、正規雇用へ移行させた事業主に最大80万円が支給されます。ミスマッチの回避に有効です。利用人数の制限はありません。
既卒者育成支援奨励金
健康・環境等の成長分野等の中小企業事業主を対象に、卒業後も就職活動中の新規学校卒業者等を正規雇用へ向けて長期的な育成を行うために、まずは6カ月の有期雇用を行い、その間、実習に加え座学等(OFF-JT)を実施し、その後、正規雇用に移行させた事業主の方に最大125万円が支給されます。
中小企業にとっては優秀な人材を確保するチャンスですので、是非ご検討下さい。
Q 4. 高年齢雇用継続給付金
A 厚生年金の受給年齢引き上げに伴い、段階的に65歳までの雇用確保が会社に求められています。
また、団塊の世代が退職年齢に至り、次の世代に技術の伝承を図る上でも、会社は高年齢者の継続雇用を考えなければならない状況にあります。
しかし、高年齢者は一般的に年功序列制度では賃金が高く、雇用を続けるには会社の負担が重くなること、また、60歳から支給される特別支給の厚生年金は働いていると減額されて高年齢者には不利になることが継続雇用を阻害しているのではないでしょうか。
そこで、この問題を解決する方法として、まず、会社負担を減らすために助成金を活用してはいかがでしょうか。
継続雇用時の賃金を60歳時の75%未満に減額すると、会社は高年齢雇用継続給付金を受給できます。
更に、高年齢者の勤務時間を通常の4分の3未満に減らすことで社会保険の被保険者にならなければ、厚生年金の減額もないのです。
なお、平成22年9月1日以降は年金受給権のある60歳から64歳の方が退職後1日も空くことなく同じ会社に再雇用されると、再雇用された月から再雇用後の給与に応じた標準報酬月額に変更されるようになりました。
従来は定年退職のみが対象でしたが、今回の改正により定年前でも対象となります。
これにより従来と比べて3か月分の社会保険料の負担が軽減される可能性が出てきました。
Q 5. 助成金の活用〜短時間正社員制度導入のメリット
A パートタイマーを沢山雇用している会社には魅力のある助成金があります。
短時間正社員制度導入促進等助成金の中に、パートタイマーや非正規雇用労働者などを短時間正社員に転換した場合に1人につき40万円が支給されるものです。
他の助成金と比べて大きなメリットが2つあり、短時間正社員制度は導入から5年以内に対象者が出ればよく(通常は2年以内)、更に、支給される人数が10人と多いことです。
従来は主婦が家計補助的にパートタイマーになることが大半でしたが、最近は男性でもパートタイマーという形で雇用されるケースが増えています。
パートタイマーの男性が世帯主の場合、その男性は家族分も含めて国民健康保険と国民年金に加入しており、この国民健康保険と国民年金の保険料は全額自己負担であるため高いことから、出来れば会社の社会保険への加入を希望しているのではないのでしょうか。
そのようなケースに、この短時間正社員を利用してみてはいかがでしょうか。
社会保険加入により、パートタイマーの毎月の保険料の負担は軽減して手取りは増える上、会社は週の所定労働時間の上限を30時間に設定することが出来るのです。そして、定着率は良くなるはずです。
Q 6. 助成金の活用〜高年齢者の最適賃金とは
A 最近、最適賃金という言葉をよく耳にしませんか。
これは、厚生年金支給年齢の段階的引き上げ措置に伴い、従来60歳を定年としていた会社は、従業員を65歳まで雇用することが要請されています。
その際、60歳以降の従業員の賃金を設定するに当たり、政府からの公的補助を含めた上で、会社負担が少なく、そして、従業員の手取りが最も多くなる賃金を最適賃金と言います。
年功賃金制の強い会社にとって、高齢の従業員を60歳以降も継続して雇用することは負担が重いため、60歳定年以降は賃金を減額したいところです。
そのための公的補助として、雇用保険から60歳以降も継続して雇用し、賃金が減額される場合に、「高年齢雇用継続給付」として、60歳時賃金の最大15%が支給されます。
更に、厚生年金についても、減額後の賃金を調整することで支給額を増やすことができます。
この「高年齢雇用継続給付」と「老齢厚生年金」は毎月の賃金に応じて支給額が調整されますので、毎月の賃金は60歳時賃金の60%とすると、最も本人の手取り額が多いのです。
なお、この公的補助を受けるには、就業規則の整備が必要となることにご注意ください。


坂田公認会計士事務所へお気軽にお問合わせ下さい。

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